桜庭一樹『ブルースカイ』

少女性がテーマの話。少女性よりは第二章のシンガポールパートでのアフター少女存在としての青年が身につまされる。

エンターテイメントとしてはするする読める点も含めてたいへん成功しているのだけど、SF的な面から言うと少女性へのツッコミも含めて、ちょっとばかり食い足りない。桜庭一樹の魅力はそのそこはかとなき安っぽさにもあるのだけど、SF要素が入ってしまうとそれが持つ安っぽさが過剰になってしまうところがいまいち辛いところ。バランスでは『少女には向かない職業』が一番かな。

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)