ニーナ・キリキ・ホフマン「ミント・コンディション」(ミステリマガジン8月号)

ミステリマガジン8月号は幻想と怪奇特集。

怪奇では全然ありませんし、幻想味も実のところあまりない作品。時間旅行者の女性を主人公にした割と本格時間SF。

主人公とパートナーの男性が送り込まれた時は1979年、彼女たちの任務はその時点では全然無名ながらも、将来的に伝説的な人気を博すアメコミを買い、SFコンベンションでライターとアーティストにサインを貰ってくることだった……とすると、ファニッシュな作品かと思わせます。しかし、そんなことは全くなく、企業のコントロール下にある時間旅行の中で、主人公に負わされたある処理について、切々と描かれるシリアスな作品。0に近い+1。