ブライアン・W・オールディス『爆発星雲の伝説』(浅倉久志訳 ハヤカワ文庫SF)

表題を読み終えた。「賛美歌百番」を含む8篇を集めた短篇集。強面の作品揃いかと思ったら表題作を含めて割と軽めの作品が多かった。

表題作は、各種動物の遺伝子が混合し奇妙な知的生命体の闊歩する未開の惑星に手違いから落ちた金融業者が、口先八寸でその惑星を脱出するまでを描いた軽妙な話。惑星に住む生命体のイメージの奔流がいい。その他は異質な思考をそのまま描いた翻訳家泣かせの短篇「断片」などが読み応えがあった。いや、もちろん一番出来のいい作品は「賛美歌百番」だけど。