2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「夜は短し歩けよ乙女」 

『野性時代』2005年9月号所収。『四畳半神話大系』、『太陽の塔』系列の話 四条木屋町を下ったところの西洋料理店で先輩の結婚式二次会を終え、飲み足りないと思って一人で木屋町を北上する女の子と、彼女を想うも二次会では声を掛けられなくてあとをこっそ…

金魚鉢を覗く子ども

小説新潮2004年9月号掲載。著者は森見登美彦。 京都を舞台にしたホラー(というか怪談という方が正しい)。ぼくがこれまで読んできた著者の作品の全てにみられたコミカルさはない。ホラーの筋としてはオーソドックスな流れではあるが、風景描写の妙で読ませる…

「きつねの話」

小説新潮2004年3月号掲載。著者は森見登美彦。 大学生の主人公が30過ぎの女主人に惹かれ、骨董屋のバイトをはじめた。ある日、顧客のもとへ品物を納めに行った主人公は…… これもまたコミカルさがほとんどない正統派ホラー。長い分だけ因縁的な怖さが出てきて…